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動物には、昼行性の生き物と、夜行性の生き物がいる。

フクロウは、夜行性の生き物だし、猫もおそらくそうだろう。

人間というのは基本、昼行性の生き物なのであろうが、
しかし人間の中にも、夜の方が得意という人が、
一定の割合で確実にいる。

私もどちらかと云えば、夜行性の人間だ。

特に若い頃は、それが顕著であった。
とにかく夕方頃から、どんどん元気になる(笑)。

だからといって、別に夜遊びする訳ではない。

基本は地味でインドアな人間なので、
お家に帰って、音楽を聴きながら本を読んだり、
借りてきた映画のビデオを一晩で3本見たり、
徹夜で絵を描いたりしていた。

とにかく一人で、自分の好きな世界に浸っているのが幸せな、
1歩間違えれば(間違えなくとも?笑)オタクに近いような人間だった。

さすがに40代を過ぎたあたりから、体力的な問題も相まって、
徐々に徹夜をする元気もなくなり、極端な夜行性も鳴りを潜めたが、
低血圧で貧血気味の体質もあって、今でも朝は苦手だ。

そんな私が、ここ数ヶ月ほど、
朝型人間になろうと、秘かに奮闘?していた。

というのも、例えば成功哲学について書かれた本などを読むと、
世の偉大な成功者たちには、朝型人間が多いと書かれてある。

私が敬愛するファッションブランド『FOXEY』のデザイナー、
前田義子さんも、早寝早起きを推奨されている。
「夜は嫌いなんです。悪い人が出てくるから(笑)』だそうで。

早起きは三文の得、なんていうことわざもあるしね。

それに加えて、朝日を浴びると、
幸せホルモンであるセロトニンの分泌が盛んになるだの、
体内時計が整って体調が良くなるだのと、
やたらに朝型生活を奨励するような情報ばかり、
なぜか目に入って来る。

そうなるともう、朝型生活をするだけで、
何やら人生そのものが好転し、充実した毎日を送れそうな気がしてくる。

そうだなぁ…私ももうイイ歳だし、
いつまでも夜型の不健康そうな生活なんぞしてないで、
ここら辺で心を入れ替えて、まともな朝型人間になるとするか。

…とかナントカ、珍しく殊勝な心持ちになった私は、
徐々に朝型生活への切り換えを試みた。

数年前から在宅ワークをしている私は、
基本、10時に起きて、深夜の2~3時に寝る生活をしていたのだが、
それをまず9時起床、1時~2時就寝を習慣にすることにした。

これは結構、すぐにクリアできた。

問題は、さらに早い8時起床である。
…これが意外に難関だった。

8時起床となると、やはり夜は1時までには寝ないと、
最低7時間の睡眠が確保できない。

なのに…どうしても1時までに寝付けない時があるのだなー💦

それでも無理して8時に起きていると、
数日後に段々と睡眠不足のツケが溜まってきて、
或る日、結局10時起床に逆戻り~となる。

そんな8時起床→8時起床→10時起床。
再び8時起床→8時起床→10時起床。

…なんていう日々を繰り返している内に、
突然…もうイヤになってきた。

私は10時起床の女でいいではないか。
私はやっぱり夜行性なんだよ。文句あるかー!
(…誰に怒ってるのだ ~_~;)

だいたい在宅ワークにしたのも、
朝早く起きるのがイヤだから、というのが、
理由のひとつではなかったか。

なのに何でまたご苦労さまにも早起きしようとしているのか。
(8時のどこが早起きだ?と云われれば、返す言葉もない)

という訳で、もう早起きはやめた。

一般的には、朝型の生活が心身の健康にもいいのであろうが、
中にはそれが合わない人間も一定数いるのだ。

我が家のカプちゃんなんか、昼夜構わず、
好きな時に好きなだけ寝ているぞ。

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自分に合った生活リズムで生きるのが、
やはり心地よく調子がいい。

前述した前田義子さんの「夜は悪い人が出る」という言葉。

前田さんが仰るこの「悪い人」というのは、
「悪い考え」とか「悪い感情」のことだと思うのだけれど。

朝の思考は正しくて、夜の思考は偏る、
なーんてこともよく云われたりする。

確かに朝型生活の人が、日中精一杯活動した後で、
寝る間際に、疲れた頭で考え事や悩み事を思い浮かべたら、
そりゃあロクな考えや感情は浮かばないと思う。

でもね…普段から夜型生活をしている人や、
あるいは夜行性の人というのは、
夜でも、あるいは夜の方が、頭が冴えわたっているものだ。

…という訳で、この記事も深夜に書いている。
もう2時を回った。
この夜の静けさ。
文章を書くには、ほんとに集中できる。

私にとって、夜は優しい。
とても落ち着く時間帯なのである。