今日でGWも終わり。
今年は御代替わりという、大いなる変化の年でもあり、
いつにも増して長い連休となった。

まぁ私は在宅ワーカーなので、GWに関係なく地味に仕事をしていたが、
5月1日の日だけ、姉と姪っ子と一緒にランチと街ブラした。

ランチは、上之裏の壱之倉庫へ。

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以前も一度、当ブログで紹介したことがあるお店。

私が20代の頃からあるお店なので、
入れ替わりの激しい飲食業界にあっては、もう老舗と云っても良いだろう。

個人的にご無沙汰していた時期もあったが、ここ1~2年また良く利用している。
座席数も結構多いので、予約なしで訪れても大抵大丈夫。

この日、私はチキン南蛮セットをオーダー。

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ボリュームたっぷりである。
このメインにスープ、サラダ、パンorライス、ドリンク、デザートが付いて、
800円。
うーむ、コスパ良すぎ~♡

ちなみにこのチキン南蛮セットは、ランチセットの中でも一番のお手頃価格。
他にもパスタやドリア、赤牛ハンバーグなど、数種類のセットから選べ、
高くても1,400円ほどで食べられる。

他県から来られる方には、ぜひ「阿蘇名物 赤牛丼」をおススメしたい。



次に訪れたのは、橙書店。

この橙書店&cafe orangeは、私の初代ブログで、
2013年に2度ほど紹介したことがある。


当時は中央区新市街の玉屋通りにお店があったのだが、
2016年の震災を機に練兵町へと移転した。

個人的には、新市街の方が近くもあったし、
お店の造りや雰囲気もとても好きだったので、
移転は少し残念だった。
なので移転後はすっかり足が遠のいていた。

もちろんその間もずっと行きたいとは思っていて、
やっとこの日、移転後の橙書店を訪れることができたという訳だ。

辛島公園から道路をひとつ挟んで、肥後銀行本店の脇の小路を進んで、
2つめの角を右に曲がれば、このオレンジ色の柱のある入り口が目に入る。

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この古いビルの2階が橙書店である。

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練兵町というので、もっと遠い印象を持っていたが、
思ったよりも近かった。(笑)

GW中ということもあってか、店内は結構お客さんが多い。
きっと県外からも、本好きの方がいらしているのだろう。

新市街にお店があった時は、書店とカフェは入り口が別で、
店の間も壁で仕切られていたのだが、
移転後のこちらのお店では、入り口は一つになり、
書店とカフェが一体化している。
店内の広さも、多少コンパクトになったようだ。

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店主の許可を得て、店内を1枚撮影。
移転後の店も、温かみがあって良い雰囲気である。

店主である田尻さんの好みの本しか置いてないという、
とても珍しくて贅沢な品揃えの本屋さん。
今度また平日にでも、ひとりでゆっくり来ようっと。



その後、洋服屋さんを何軒かウインドウショッピングした後、
最後に訪れたのは、「汽水社」という古書店。

こちらは2016年、まだ開店したばかりの時に、当ブログで紹介したことがある。

あれから2年半ほど経ち、開店当時はまだ半分程度しか埋まってなかった本棚も、
今ではぎっしりと埋まり、それでもまだ収まりきれない本たちが、
店内奥のカウンター周りに果てしなく増殖している。

汽水社に来ると、大抵何かを連れ帰ることになる。

この日もベルギーの幻想画家、ポール・デルヴォーの展覧会図録を見つけた。
…というか、姉が店頭で見つけて教えてくれた。(笑)

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1975年に東京と京都で行われた展覧会の図録だ。
何とこれが300円で手に入った。
古いものなのでそれなりにダメージはあるが、掘り出し物である。

この辺りのモノクロの版画作品は、私的には初めて見るものである。

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こちらの油絵は、いかにもデルヴォー的な作品。
美しいなぁ。

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デルヴォーの展覧会はその昔、熊本県立美術館でも開かれたことがある。
自室の書棚を探したら、その展覧会の図録があった。

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1987年の展覧会図録。
自分でも驚くほど保存状態が良かった。さすが私。(笑)

デルヴォーは10代の頃、澁澤龍彦氏の『幻想の彼方へ』という書物で知った。
月明かりに照らされる古代都市や近代の駅の中を、
裸の女性たちが彷徨っている、という不思議な絵が多いのだが、
澁澤氏はこの絵を “女の形をとって現れたリビドーの幽霊” と評した。

デルヴォーがこれらの作品を発表した当時は、
この裸体の女性のヘアーの表現が、ちょっとした物議を醸したらしいが、
デルヴォーの描くこれらの白い裸体には、あまり生々しさは感じない。
女の私から見ると、何やらマネキン人形みたいですらある。

月明かりの駅に少女が立っているこれらの絵もいいね。

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不思議なノスタルジーを感じるよ。

…話が「汽水社」から、ちょっとズレてしまった。

汽水社のHPを探したら、まだ工事中みたいだったので、
ツイッターのリンクを貼っておく。


暇な日は、店主の佐藤さんのボヤキがツイッターに投稿される…。(^▽^;)

ネット書店が繁盛する昨今。
古書店に限らず、リアル書店には厳しい時代であるが、
関東から熊本に移住して「汽水社」を開いてがんばっている佐藤さん。

とにかく古書店にある本というのは、基本1点モノ。
次に来た時は、もう無いかもしれない。
出会った時が、運命の時なのだ。

貴重ないにしえの本との出会いがあるのが、古書店。
まだ訪れたことのない方は、ぜひ行って見られると良い。

あ~、また東京の神保町古書街巡りをしたくなってきた。